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平成22年度 安全・安心まちづくり県民の集い ふくおか

●パネルディスカッション・防犯ボランティアサミット
 テーマ:「子どもと女性の安全・安心」
 コーディネーター:瀧本 浩一氏(山口大学大学院理工学研究科 准教授)
 パネリスト:
 防犯ボランティア/木村 妙子氏(青葉女性パトロール隊 隊長
 学生ボランティア/小林 英里香氏(福岡大学防犯ボランティア「ななくま元気にするっ隊」 学生代表)
 企業ボランティア/三好 孝一氏((社)福岡県宅地建物取引業協会 総務委員長・常務理事)
 NPO/島津 明男氏(NPO法人日本ガーディアン・エンジェルス 福岡支部長)
 母親代表/SAYURI氏(安全・安心まちづくり県民の集いふくおか 司会)
 警察/大庭 英次氏(福岡県警察本部生活安全総務課 安全安心まちづくり推進室長)
 行政/山下 稔(福岡県新社会推進部生活安全課 課長)

【パネルディスカッションの主な発言】
(1)自助 <自分の身は自分で守る、子どもは子ども自身・親が守る>
小林氏
(学生B)
「アルバイトの帰りなど遅く帰宅する時があり、夜道が暗く街灯が少なかったり、不審者がいたりすると不安を感じる。玄関先の灯りをつけてもらうなど、地域の協力があるとよいと思う。」
SAYURI氏
(母親代表)
「海外生活の経験があるが、帰国してすぐ、日本では女性が夜道を平気で一人で歩いていることに驚いた。携帯電話を見ながら歩くなど、犯罪に対して警戒する様子がみられない。女性自身の防犯意識を高める必要があるのではないか。
 幼い子供のいる母親としては、海外では日本より子どもに対する周囲の関心が高いと感じる。母親同士のネットワークから、地域全体で子どもを見守る環境づくりができないだろうか。
 また、子どもに対しては、何歳くらいから一人で遊びに行かせても大丈夫なのか不安があるし、どう危険を説明すればいいか迷うこともある。本日の基調講演で『入りやすく見えにくい場所』というキーワードをいただき、よかったと思う。」
島津氏
(NPO)
「毎週金曜日に午後7時から午前7時まで、警固公園で青少年の見守り活動を行っている。夜間にも関わらず15〜20歳くらいの若い女性を多く見かけるが、犯罪に巻き込まれる可能性があると思っていないと感じる。本人にも意識してほしいし、周囲の人も防犯に心がけることを教えてあげてほしい。」
 
(2)共助 <地域(地元、企業、NPOを含む活動団体)の助け合い>
木村氏
(防犯B)
「子どもも女性も『自分の身を自分で守る』という意識を持つことが重要だと思う。特に、子どもには日頃から大人が教えておかなければならない。
 防犯活動を行う上でも、『自分の身を自分で守る』という意識を持って行っている。組織だったパトロールだけではなく、週3回程度、2人1組の小規模なパトロールをそれぞれの都合のいい時間帯に行い、地域のどこかで誰かが巡回している状況をつくっている。地域全体で取り組んでいるということがわかるよう工夫している。」
三好氏
(企業B)
「企業としては、子どもや女性の駆け込みに対応する『子ども・女性110番の店』の取組を行っている。保護マニュアルを作成して、子どもの落ち着かせ方や110番通報の仕方などをまとめている。
 また、コスモス・ネットワーク(子ども・女性安全安心ネットワークふくおか)に参加し、性犯罪防止活動も行っている。性犯罪防止DVD4,500枚を購入して、不動産業を営む会員企業や県内の高校・大学・専門学校411校に配布し、研修や啓発活動に活用していただいている。
 このほか、青パトや車いす送迎車の寄贈、『子育て応援の店』の周知・登録促進など、防犯に限らず福祉や子育て等の分野でも地域貢献事業に取り組んでいる。これからも続けていきたい。」 
小林氏
(学生B)
「今年6月に防犯活動を始めたばかり。福岡大学の学生約70名が参加している。大学を通じて地域との交流の機会を持とうとしており、いずれは直接地域の方と交流していきたい。
 これからの活動については、活動資金などの課題もある。」
木村氏
(防犯B)
「地元の学校や企業へは、一斉活動日のパトロールなど防犯活動への協力だけでなく、夏祭りや餅つきなどの地域行事への参加を働きかけている。地域の方々に団体活動の目的や現状を理解してもらうことが大切だと考えている。『自分たちのまちは自分たちで守る』という意識を共有して、足並みを揃えて活動することが地域全体の活性化につながると思う。学生の皆さんにも地域に溶け込んでいただきたい。」

(3)公助 <行政とのつながり、行政のできること>
島津氏
(NPO)
「行政(県、市町村や警察)に期待するのは、『つなげる』ということ。地域と団体、団体同士などいろいろな場をつなげていただくのがよい。
 団体が活動していてもよく知らなければ不審に思われがちなので、活動を始める一歩前の段階で行政からの後押しがあると、地域の方からの信頼も得られ、活動しやすいと思う。」
三好氏
(企業B)
「やはり行政には、連携の要としての役割が望まれる。パネリストを見ても、このように様々な団体が取組を行っていることは知らなかったし、活動に参加したいが、どうやって始めたらいいかわからないという方もおられると思う。ホームページ等を活用して、防犯ボランティア活動の広報を強化していただきたい。」
木村氏
(防犯B)
「警察とは、日頃の活動の中でできるだけ連携をとるようにしている。可能な範囲でパトロールに同行してもらうなど、警察の力を地域での活動に取り入れたいと考えている。
 また、複数の団体が連携した活動としては、中学校の生徒会と防犯組合、自警団、女性パトロール隊、PTA、地域の役員、警察署が一緒に行う夏休みのパトロールがある。
 近頃、性犯罪が増えていると聞いているが、このような現状で、子どもや女性を守るために活動団体ができることがあるのか、お尋ねしたい。」
山下
(行政)
「行政に期待することとして、『連携』というキーワードが挙がった。この『安全・安心まちづくり県民の集いふくおか』もまた、防犯団体相互の連携の場をつくるものとして開催している。実施にあたっては実行委員会形式で、防犯活動団体やNPO、警察、行政などを代表する委員で話し合いながら内容を決めており、これも連携の一つの形と言えると思う。
 団体の活動支援としては、財政的な面では、防犯活動団体の立ち上げ時の資機材等の購入に1件10万円の補助金制度がある。人的な面では、活動上の悩みや課題に助言するアドバイザーの派遣制度を設けている。」
大庭氏
(警察)
「福岡県の犯罪認知件数は平成14年以降年々減少しており、一方で地域防犯活動団体の数は右肩上がりとなっている。多くの団体の活動の効果が表れたものと言うことができるが、性犯罪と強盗については増加傾向にある。
 性犯罪を防ぐには、被害対象となりやすい女性や子ども、子どもを持つ親が『自分のこととして考える』ことが大切。夜の一人歩きはできるだけ控える、県警が事件情報を配信している『ふっけい安心メール』に登録して身近な防犯情報を得ておくなどの防衛手段が考えられる。防犯状況の提供には、捜査や被害者の個人情報の保護などの点で配信できる内容に制約もあるが、地域の状況に関心を持ち、自分のこととして考えるきっかけとして活用していただきたい。
 また、地域を犯罪の起こりにくい環境に変えていくことも、犯罪を防ぐには有効だと考えている。」
山下
(行政)
「防犯に限らず、介護、福祉、都市計画などあらゆる面で、多様な主体が力を合わせる共助社会が必要になると思う。県では平成20年4月に『新社会推進部』を組織し、地域活動の支援と安全・安心まちづくりの担当部署を同じ部に置いて、行政に期待される接着剤、潤滑剤としての役割を務めようと取り組んでいる。」
瀧本氏
(コーディネーター)
「パネリストやブースを出展している団体の方々に、このような場でコミュニケーションを取っていただき、顔と顔が見える関係を築くこと、そこから始まる相互理解と連携が地域を強くすると思う。この場での情報交換を明日からの地域防犯活動に役立て、住みよい安全・安心な福岡県にしていただきたい。」
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