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第3回議事録

第3回福岡県防犯カメラ活用検討会議 議事録

日時
平成19年3月20日火曜日10時〜12時
場所
県庁 特9会議室
出席委員
氏 名 現職名
木村 俊夫  九州国際大学法学部 教授
白水 良文  新天町商店街商業協同組合事務局 課長
瀬川 恭子  株式会社 西日本リビング新聞社 編集委員
樋村 恭一  大妻女子大学家政学部 講師(当日欠席)
山田 建  NHK福岡放送局 放送部長(当日欠席)
和智 凪子  弁護士


 オブザーバー

加藤 賢次    北九州市安全・安心課長 
三上 明      福岡市生活安全課長   
四ヶ所 利洋  県警生活安全総務課


あいさつ
福岡県総務部消防防災安全課生活安全室長 北原 康則
審議事項
(事務局)資料に基づき説明
 資料
「防犯カメラの管理と活用について」パブリックコメントの実施結果について[PDF/58kb]

  資料: パブリックコメントの応募結果と対応について(案)[PDF/95kb]


(事務局)
  パブリックコメントの結果11名31件の意見が寄せられた。これを一覧表に整理している。この中から、「防犯カメラの管理と活用について」報告書に取り入れてはどうかと思われる意見7件について、一覧表に※で示している。
また、本日欠席の委員から事前に以下のとおり意見が寄せられている。

 「防犯カメラの効果に関しては、全体の犯罪減少に繋がらないのは防犯カメラの限界です。しかし防犯カメラによって安全な空間をつくれることは確かです。犯罪総数減少と、安全な空間を作るという考え方を混同してしまわないように防犯カメラの立場をしっかり築くことが必要です。設置者の責務で、設置表示は必要ないとありますが、この理由がわかりません。隠しカメラ状態は避けるべきなので、設置表示は必要と思います。」

(会長)
  今の説明について意見・質問はあるか。
(委員)
  意見への対応案として「画像を提供するときは提供先等を記録することを盛り込むこととします。」とあるが、提供する側が記録することはもちろん、提供を受ける側に対しても画像の処分についてキチンと記録をすることが大事であると思う。
(事務局)
  この指針は防犯カメラの設置者に対するものであり、現実的に主な提供先は警察である場合が多く対応は可能であろう。問題は「緊急の必要がある場合」である。
(会長)
  画像を提供する場合としては、法令に基づく場合、緊急の必要性がある場合、捜査機関から求められた場合の他に、例えば本人からの要望がある場合などは想定されているのか。
(事務局)
  今のところは想定していない。
(委員)
  この指針が想定していない被提供者へ管理者が画像を提供し、その画像が後日流出したとしてもそれは管理者の責任であると思う。
(会長)
 設置者にガイドラインを示す時に、プライバシーを侵害してトラブルが発生すれば、設置者の責任になるということをよく理解してもらうよう趣旨徹底する必要がある。
(事務局)
  前回の会議でもここは論点となったところである。本人であると主張する者からの提供要請がある場合にそれを本人であると特定する作業に大変手間がかかるので現実的ではないとか、マスコミからの要請がある場合には別の観点からの議論が必要となるので、このガイドラインからは対象外とするという結論になったと思う。当面はこの規定で実施し、以後問題が出てくればその段階で検討していきたい。
(会長)
 パブリックコメントを実施したところ、一部から「プライバシー侵害となる」「法令の根拠が必要である」など強い批判の意見が寄せられた。当面、県は法令の根拠なしにガイドラインを制定することになるので、その趣旨を徹底することが重要である。
(委員)
 今回、パブリックコメントに意見を寄せた方々は、年齢などである程度県側で選定したものなのか。
(事務局)
 県のホームページなどで公募したもので「福岡県民である」以外の条件は限定していない。
(委員)
 捜査機関へ画像を提供する際に本人の同意を得るなど、あまりにプライバシー侵害の防止を重視しても、本来の防犯目的が達せられないというジレンマに陥ることになる。このあたりをうまく表現する必要があると思う。
  また、防犯カメラの設置者が運用を警備会社に委託している場合、責任の所在を明確にしておく必要がある。
(委員)
  いろいろ議論はあるが、防犯カメラの目的はやはり犯罪の検挙より「防犯」や「予防」の機能が一番大事である。
(委員)
  ただ、実態としては防犯カメラの設置前と設置後の事故件数は顕著に減少している。
(会長)
  事前にいただいた委員の意見にもあるように、防犯カメラを設置しても全体の犯罪件数が減るわけではなく、防犯カメラが設置されていない場所に犯罪が移るだけである。



資料2:「防犯カメラの管理と活用について」報告書(案)[PDF/148kb]

(事務局)資料に基づき説明
 
(事務局)
 先程紹介したパブリックコメントの意見、及び前回会議の議論を踏まえて報告書案を提示した。
前回議論となった「画像の保存期間」については、警察庁等の指導要項でコンビニは1週間以上、金融機関は3ヶ月以上が妥当であると示されており、機器の性能について防犯設備士に問い合わせたところ、色々あるが1週間程度で上書き消去されるものが一般的であるとの回答であった。結局、保存期間を統一する明確な根拠はないことが判明したので、「必要最小限度の範囲内」という表現は前回から変更していない。
 また「防犯カメラの活用について」の箇所は全面的に前回から変更している。
(会長)
今の説明について意見・質問はあるか。

○防犯カメラの定義
(オブザーバー)
 繁華街の定義がはっきりしない。私的空間が入っており、また、商店街、商業施設など混在している。当市では、公共空間を対象としている。
(会長)
 県の場合は、プライバシーへの調和や配慮という点を重視しているので、当然、私的空間の一部を包含するなど広い範囲となっているのではないか。

○記録媒体の処分
(事務局) 
 ここでの処分は、上書きによる消去を想定しているのではなく、使用しなくなった不要な記録媒体を処分する場合について規定しているものである。その場合は複数人によって完全にデータを消去、破砕により確実に処分する。
(委員)
複数人とは、第三者の立会人を置いて行うということなのか。小規模な商店には負担ではないか。
(事務局)
複数人とは、外部の第三者に限るものではなく、単独での処分を出来る限り行わないよう「望ましい」という文言にしている。
(委員)
実態は、上書き保存により消去が行われている。

○画像の提供
(委員)
 資料のP18の?と?は、警察等公の機関への情報提供であることは明らかであるが、?の事例がわかりにくい。どのような例が考えられるのか。
(事務局)
 ?の場合として、犯罪に起因しない行方不明者の安否確認や災害発生時に被災状況を情報提供する場合などが考えられる。
(オブザーバー)
 わかりにくいので、それぞれ解釈を示すべきではないか。
(委員)
 法律でも、その解釈はそれぞれであり、ある程度この指針が示されて、様々な事例に基づいて判断された解釈であれば良いが、現時点で安易に解釈を示すのは問題ではないか。
(委員)
 ?の場合は、一般人が想定されるので、きちんと対応できる組織のしっかりした事業者であればいいが、そうでない場合は強力な圧力に屈して、安易に提供してしまうことが考えられる。
(オブザーバー)
 提供できるものとすると、これを根拠に提供しなければならなくなる。
(事務局)
 行方不明者の安否確認など、人の生命、身体又は財産に対する差し迫った危機であれば、警察が立ち会う場合が通常であると考える。
(委員)
 原則提供しないのであって、提供する義務はない。個別に判断すればよい。?の場合も想定しうるのであれば、なくてはならないのだろう。
(委員)
 「必要性を十分検討した上で」については、手続の具体例、手順を示した方が良い。
(委員)
 Q&Aを別紙で示したらどうか。

○苦情への対応
(委員)
 苦情がある場合どこが受け付けるのか。
(事務局)
 とりあえず県の個人情報保護担当部局が受け、内容によっては生活安全室が対応することとなる。

○防犯カメラの効果について
(委員)
 本来「安全な県民生活を守る」というのが防犯カメラの目的であり、犯人の検挙に効果がある、などという事は結果的なものである。P13の「防犯カメラの効果」は「防犯カメラの目的」の方が相応しい表現ではないか。また、たまたま犯人検挙に繋がった例があるということであり枠囲みの中の「犯人の検挙」は削除したらどうか。
(事務局)
 「防犯カメラの効果」を「防犯カメラの目的等」に変更、「犯人の検挙」を削除したい。

○防犯カメラの活用について
(委員)
県は今後防犯カメラの普及に努めるという意味が伺えるが、防犯カメラの設置について補助制度などは考えているのか。
(事務局)
 県が一般人に直接補助することは難しいが、特定の地域に対して市町村と協力し、防犯カメラの設置を含めた防犯対策全般をモデル事業として支援することは考えられる。

<今後のスケジュール>
(会長)
 本日の議論を踏まえた上で、事務局と協議の上「防犯カメラの管理と活用について」報告書最終案をまとめ、後日皆様にお諮りすることでよろしいか。
(各委員)
 異議なし。
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