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第2回議事録

第2回福岡県防犯カメラ活用検討会議 議事録

日時
平成19年1月23日火曜日10時〜12時
場所
県庁 特9会議室
出席委員
氏 名 現職名
木村 俊夫 九州国際大学法学部 教授
白水 良文 新天町商店街商業協同組合事務局 課長
瀬川 恭子 株式会社 西日本リビング新聞社 編集委員
樋村 恭一 大妻女子大学家政学部 講師
山田 建 NHK福岡放送局 放送部長
和智 凪子 弁護士


 オブザーバー


 加藤 賢次    北九州市安全・安心課長               
 三上 明      福岡市生活安全課長   
 新原 豊貞   県警生活安全総務課



あいさつ
福岡県総務部消防防災安全課生活安全室長 北原 康則
審議事項
(事務局)資料に基づき説明

 資料:本県の犯罪情勢と防犯カメラの設置状況等について[PDF/339kb]
(会長)
今の事務局の説明について何か意見・質問はあるか。
(委員)
公共施設への調査はどう実施したのか。
(事務局)
各市町村への照会文書で調査した。
(委員)
管理基準の有無について、県や市町村の方が民間に比べてかなり低いがなぜか。また、録画媒体に違いがあるのはなぜか。
(事務局)
管理基準については、市町村で定めていないところが多いためである。録画媒体については、施設の新旧によって設備の差があり、民間の方がハードディスク等を使用している割合が高いようだ。
(委員)
苦情が1件あったということだがどんなケースか。
(事務局)
駐車場内で物損事故があり、この画像について当事者に公開を拒否した例である。
(委員)
ほとんどの人が防犯カメラを必要と認め、プライバシーより安全性を求めていることがこのアンケートで分かった。
(委員)
多くの人が、なんとなく防犯カメラがあると安心できるという認識のようである。しかし、総論は賛成だが、細かくプライバシーの問題を議論していくと、例えば「よそは付けても良いがうちは駄目」などということになっていく。
(委員)
 防犯カメラの種類はいろいろあるのか。
(事務局)
精度によってもかなり種類が多くある。
(事務局)
・資料に基づき説明
資料:防犯カメラの管理と活用について[PDF/181kb]
(事務局)
前回の会議において、防犯カメラの有効性とプライバシーの問題について議論されたことを踏まえ、県の個人情報保護条例に基づき定められた指導方針との関連性に留意して整理した。
(会長)
今の説明について意見・質問はあるか。
(委員)
P5「カ 画像の保存期間」について、速やかに画像を消去することが記載されているが、誰がチェックするのか。また、「ク 画像の提供」について、刑事訴訟法の法令に基づく場合と?の情報提供を求められた場合とは、どのようなことを想定しているのか。
(事務局)
保存期間について一律に一定程度の期間を示すのは難しいので「最小限度の範囲内」と表現している。また、チェックは管理責任者が行うこととしているが、問題なのは、比較的小規模の事業所について徹底できるのかということである。基準を定めた後どう啓発するのかということにもつながる。
(事務局)
 「ク 画像の提供」については、刑事訴訟法では、令状に基づく捜索差押と、逮捕現場などによる令状によらない捜索差押を想定している。また、この他に刑事訴訟法に基づく捜査関係事項照会書によって証拠物件等の提供を求める場合もある。
(委員)
つまり「法令に基づく場合」と「任意」の場合に分けて表記されているのか。
(事務局)
そのとおりである。犯罪捜査のため緊急時等で任意に画像の提供を求める場合と法令に基づく場合である。
(会長)
例えば、火事があり、事件性があって捜査機関が求める場合と報道機関が取材する場合には観点が違う。警察が捜査する場合には、任意提供という形でも持っていかれるが、報道機関への提供はこの規定上できないという結果になる。報道関係者にとってこの辺りはどうなのか。
(委員)
 それはケース・バイ・ケースだろう。例えばこのような基準を設けた責任者と報道関係者との話し合いによることになるのか。現在報道されている防犯カメラの映像は、その画像の所有者ではなく捜査機関から提供を受けたものであるケースが多いのではないか。
(委員)
 画像の管理というところが一番重要だと思う。フリーペーパーを作っていると葉書による個人情報が非常に多く集まる。それを処分する場合には必ず責任者と第三者の立会いのもとに行っている。そういうやり方をきちんと示したほうが良いと思う。
(委員)
 我々の防犯カメラ画像の消去については、機械に期間を設定すれば自動的に消去されるようになっている。我々の防犯カメラ管理規約については責任者の体制が明確に示されている。
(委員)
「カ 画像の保存期間」の「利用目的に合わせて必要最小限」という表現は余りにも漠然としている。期間を示したほうが良いと思うが、どの程度なのか。
(事務局)
 アンケート調査結果をみると1週間以内が一番多い。しかし、なぜこれが一番多いのかは分からず線を引けないところである。
(事務局)
民間事業所を対象に調査した際に、金融機関が概ね3ヶ月以上と長く設定しているものが多かった。これは監督官庁の指導によるもののようだったが、業種によって各監督官庁が指導している場合に整合性が取れなくなるので、こういう表現とした。
(事務局)
 金融機関の保存期間が長いのは、CD盗が非常に多い時期があり、空き巣に入られてもキャッシュカードが手元に返されており、被害者が気づかないケースが多かったという事情がある。つまり、犯罪発生から犯罪認知までにタイムラグが生ずるためにそれを担保するためである。
(会長)
今は「必要最小限」という抽象的な表現になっているが、具体的に期間を定めるということになると、実地調査が必要になってくるのか。そのあたりは研究していただくことにしたい。
(オブザーバー)
 ATMなどに設置されている防犯カメラは対象になるのか。公共の場所で不特定多数を写すものが対象で、例えば銀行の店舗内にあるものは対象とならないと思うが。そのあたりはもっと議論して欲しい。
(事務局)
 例えば、店舗の入り口に設置してあるものなど不特定多数を捉える防犯カメラについては、県民の不安を解消する趣旨で対象になる。しかし、「防犯カメラ」の運用等については、監督官庁から指導が行われている場合もある。
(委員)
 県としては全体を広くカバーして、例えば銀行の店舗内というようなケースは監督官庁に任せるということか。
(事務局)
 マンション等は除外すると考えているが、店舗内は一番微妙なところである。
あくまでもこのガイドラインは規制するというより「不安を持たれないようにこういう管理をしてはどうか」という趣旨のものだと考える。
(オブザーバー)
 本市の場合、公共施設にカメラを設置しているが、現在、管理基準はない。施設管理目的のためなど必ずしも防犯用とは限らないが、不特定多数を写すという性質上何らかの運用基準は必要であるという認識のもと、今年度中に要綱制定作業を進めている。市の公共施設に入ると撮影されるという認識は一般市民にはないので、そこを広く周知させていくことが大事であると考える。今後、県がこの基準を示す場合、どこまで周知徹底すればよいのか、また市町村がどこまで協力できるのかをしっかり議論する必要がある。
(委員)
 マンションは対象とならないということだが・・・。
(事務局)
 マンションについては、「防犯マンション認定制度」の検討も行われており、この中でも防犯カメラについては考慮されている。このガイドラインでは私的空間であるマンション内は対象としていない。
(会長)
防犯カメラの第一の目的は「安全・安心」であり、一方、プライバシーへの配慮も重要な事項である。つまり、公共的な空間であれば防犯という観点だが、マンション内部ではプライバシーの問題が出てくる。プライバシー保護という観点は県の施策として打出さなくてよいのか。
(委員)
マンションは私的空間なので放っておいて良いのかということである。例えばマンションであっても管理基準のモデルのようなものを提示していく必要がないのか。自分達で防犯カメラを設置して、その映像がいくらでも流用されていくことに危険性を感じる。公共空間を対象とするものは作っておいて、それとは別にマンション管理組合用の指針を作るぐらいはやった方が良い。
(事務局)
 公共的な場所という前提で考えているが、マンションについてはプライバシーとの切り分けがより密接で難しくなっているので、課題として今後検討してまいりたい。
(会長)
 カメラについては、防犯だけではなくていろんな設置目的があると思う。それをどう切り分けるのか。また、本人の同意の前に第三者から開示請求を認めてよいのか。管理体制の確保で小規模の場合はどうするのか。本人からの開示請求があった場合にどう対応するのか。事務局に何か考えがあるか。
(事務局)
 画像の提供で、本人が同意した場合に第三者提供をして良いのかというケースが考えられる。本人の画像検索や、同時に写った人をどうするのかという実務的に大変な問題もある。本人同意については除外しているが、御検討いただきたい。
(委員)
 その項目は入れない方が良いと思う。例えば5人写っていて、ここに誰が居るというのはどこで判断するのか。そして各人に同意を取っていくなどということは現実的に難しい。また、錯誤があって同意した場合に、プライバシーについては、後に民法的に無効となっても取り返しがつかない場合も想定できる。犯罪に関わることであれば、捜査機関への提供が認められているし、本人の同意による提供は必要ないと思う。
(会長)
 個人情報保護法や条例は、私人が持っている情報を開示請求することまでいっていない。まして民間の報道機関に自分の情報を見せてくれといっても対応できるのかどうか。また、そういうケースには大抵背後に訴訟や事故・事件があり、防犯カメラで記録した者が巻き込まれてしまうので負担が大きすぎる。現時点では法整備されていないので、この項目を設けても実効性がない。
(委員)
 例えば、災害が発生しビルが崩れそうになっていて、その映像を防犯カメラが記録していた場合、これを報道機関が広く周知することはこの「生命、身体、又は財産に対する差し迫った危険」に該当するのか。人が全く写っていない場合はどう考えるのか。
(会長)
 報道機関の場合は「知る権利」という公共性があるので、提供者は免責されることになるのではないか。
(委員)
 「画像を第三者に提供しないものとする」という文言を「原則として以下の場合は提供できる」と書くのが良いのではないか。
(委員)
 「原則として提供できない」というのが前提で例外を列挙する方がよいのではないか。人が写っていない場合には管理者の判断が難しい。ただ、報道機関だから公共性があるとは一概に言えないと思う。
(委員)
「生命、身体、又は財産に対する差し迫った危険」が何を想定しているのかがよく分からない。
(会長)
 事故や災害を想定しているのではないかと思う。
(委員)
 警察などの捜査機関が関与しない場合があるかもしれないことを想定するということか。
(事務局)
 個人情報保護条例などに基づいてこの項目を入れているが、災害発生時に緊急の必要がある場合等を想定している。
(委員)
 「緊急の」という文言はなぜ入れたのか。
(事務局)
個人情報保護条例の指導方針と整合性をとった結果である。
(委員)
 例えば、ビルが崩れたり大雨で道路が陥没した場合、原因究明のために研究機関等がその映像を必要とする場合があると思う。
(委員)
 それは例外中の例外だと思う。この「緊急性」や「差し迫った危険」の枠を外してしまうとどんどん拡がってしまうので危険だ。
(委員)
 緊急の場合、個人情報保護条例の場合は、人の名前などを除けば役所から研究機関への情報提供ができると思う。その趣旨を考慮するとあまり広げない方が良いと思う。これらの議論は根本的なものなので、事務局でもよく検討しておいて欲しい。
<オブザーバーの意見等>
(オブザーバー)
 本市の場合、商店街の活性化策として防犯カメラの設置補助を行っている。全国的に犯罪が多発している中で、防犯カメラの有効性については積極的に関わるべきといわれている。一方、プライバシーの問題もあって整理が必要だということもある。ただ民間も縛るのかということは議論も多い。本市の補助事業の場合には、内部的に運用要領を定めて管理してもらうようにしている。今後、本格的に検討していく中で、プライバシーの保護は重要な問題である。市が検討する場合には県と違って具体的な事項について規定していくことになる。
 画像の保存期間は、必要以上に長くしない、管理者によるモニターは行わない、一定期間の後自動的に消去する、開示する場合には項目を限定し、それ以外の部分は外部の第三者を入れた検討委員会の中で明らかにする、ということを考えている。
(オブザーバー)
 H15年に「ぼおるど事件」があり、その後、繁華街の地域へ300万円の補助という形で6台設置している。また、商業振興の場合は、防災の観点から支援している。その場合、運営要領等を定めるようにお願いしている。
<防犯カメラの有用性>
(委員)
「防犯カメラの有効性」について、当然事件が起こった場合にその映像は犯罪捜査に役に立つものである。ある場所で犯罪が起こり、その映像が事件の解決につながったことが、翻って犯罪を抑止するということに繋がれば良いが、犯罪捜査支援が目的ではなく、犯罪抑止が主な目的であるという事にならなければ。有効性イコール目的ではない。
(委員)
プライバシー保護については運用上の問題である。管理する側がどうとるかだろう。
(会長)
先日学会でも話題となったが、肖像権の問題はNHKではどう考えているのか。
(委員)
それは大きな問題で、過去の番組を放送する場合、例えばアメリカでは写っている人の了解を得ないと放送できないという流れになってきている。
プライバシー保護を考えれば、放送事業者としては、例えばニュース映像を放映する場合に写っている人の了解を全て得た上で放送する努力をすることに尽きる。ただ、防犯カメラと放送利用の映像とは違う。防犯カメラの場合は法廷へ証拠として提出できるが、放送利用映像は基本的に放送のみにしか利用できない。

<今後のスケジュール>

(事務局)
 今後、県民の皆さんの意見を広く聴くためのパブリックコメントを実施したいと考えている。次回の会議で結果を報告したい。
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