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安全・安心まちづくり推進地域トップ会議(飯塚地域)

 飯塚地区では、平成20年11月に行政、警察、地域ボランティア代表で構成する「飯塚地区安全安心まちづくり推進協議会」が設立され、官民が連携して地域課題に即した安全・安心まちづくり活動に取り組んでいます。
 官民が連携した取り組みを地域に定着させ、一層活発に展開するためには、活動の中心となる市町村長、警察署長、その他各種団体のリーダーなど、地域のトップが意識を統一し、互いに連携して取り組むことが重要です。
 このため、2月28日(土)飯塚市において、「安全・安心まちづくり推進地域トップ会議」に引き続き「安全・安心まちづくり地域活性化フォーラム」を開催しました。これらを通じて飯塚地区における安全・安心まちづくり運動の飛躍のための契機とします。


 「安全・安心まちづくり推進地域トップ会議」では、市町長、警察署長、地域団体代表等が一堂に会し、地域課題、取組状況、今後の取組方針を共有し、活動の更なる活性化を図りました。
安全・安心まちづくり推進地域トップ会議会場


概 要
1 日 時 平成21年2月28日 土曜日12時00分~12時50分
2 会 場 イイヅカコスモスコモン 第2会議室(飯塚市飯塚14-66)
3 主 催 福岡県、福岡県警察、飯塚地区安全安心まちづくり推進協議会
4 出席者(順不同)
  飯塚市長 齊藤 守史
  嘉麻市長 松岡 賛
  桂川町長 井上 利一
  飯塚警察署長 山本 哲史
  飯塚地区消防本部消防長 崎山 博
  飯塚市教育長 森本 精造
  嘉麻市教育長 山崎 輝男
  桂川町教育長 佐谷 千香子
  NPO法人地域交流センター九州事務所長 今泉 重敏
  飯塚市片島地区地域安全推進隊 大谷 鶴雄
  上嘉穂警察署防犯指導委員会 野中 武
  桂川町おはよう会 齊藤 敏子
  福岡県新社会推進部長 富安 節子
  福岡県生活安全課長 境 正義
  福岡県警安全・安心まちづくり推進室長 猿渡 智行
  司会 福岡県生活安全課 佐矢野 俊


5 内容
(1)挨拶  福岡県 新社会推進部 富安 節子 部長
福岡県 新社会推進部 富安 節子 部長
 県では、県民が安全で安心して暮らせる福岡県づくりを進めるため、地域で自主的に取り組まれている防犯活動を積極的に支援してきた。今では、1,000を超える防犯団体が、県内各地で子どもの見守り、パトロールなどに積極的に取り組んでいる。こうした取り組みを定着させ、更に拡大していくため、「福岡県安全・安心まちづくり条例」及び「防犯環境指針」を制定し、今年度から施行した。
飯塚地区においては、昨年11月に行政、警察、地域ボランティア代表で構成する「飯塚地区安全安心まちづくり推進協議会」が設立され、官民が連携して地域課題に即した安全・安心まちづくり活動の進展が期待される。
 この取り組みを、真に地域に浸透させていくためには、住民の皆様のご協力をはじめ、関係機関の緊密な連携と協力が不可欠である。本日の会議を契機に、行政、警察、住民の連携・協働により、安全で安心して暮らせる地域社会が実現されることを願っている。


(2)議事
座長 飯塚市 齊藤 守史 市長

(飯塚市 齋藤市長)
それではまず、行政側から安全・安心に関する取組や状況の紹介を願いたい。


(県 境課長)
福岡県生活安全課 境 正義 課長
 近年「安全・安心」が行政の大きな課題となってきた。この背景としては、犯罪件数の増加がある。全国では平成14年に史上最悪の発生件数となり、福岡県でも16万8千件を記録した。昭和62年当時の約2倍となり、生活の安全が脅威に晒されていた。このような状況において、警察力の強化だけではなく、行政と地域住民の「地域の安全は地域で守る」という取組が盛んになってきた。平成15年に55だった地域防犯団体数が平成20年12月では1,131団体と急激に増加している。地域で様々な活動に取り組まれるにつれ、犯罪件数が6年連続して減少しており、地域における防犯意識の高まりにより確実に治安は回復していると言える。
一方、人口1,000人あたりの犯罪件数と、1小学校区あたりの防犯団体数を見ると、残念ながら筑豊地区は犯罪発生件数は県平均より高く、防犯団体は1校区当たり1団体に満たない。このような中、県では平成20年4月に「福岡県安全・安心まちづくり条例」を施行した。これは自主的に防犯活動に取り組むということと、犯罪が起こりにくい環境を整備するということを、県・市町村・警察・住民の皆様が連携・協力して取り組んでいくと定めたものであり、県ではこの条例に基づき、「ひとづくり」・「まちづくり」・「ネットワークづくり」の3つの分野を掲げて取り組んでいる。
「ひとづくり」としては、平成17年度から「防犯リーダー養成講座」を実施しノウハウの提供を行っている。平成20年度からは、まちづくりの専門家等を県内の様々な研修会に派遣する「安全・安心まちづくりアドバイザー制度」を実施している。また現在、防犯活動のノウハウを紹介するDVDソフトを制作中である。
「まちづくり」とは地域コミュニテイの再生である。各地域で防犯団体が設立され、活動することは地域コミュニテイの再生に繋がるので、立上げ時の資金として1団体当たり10万円、年間100団体を援助している。また、防犯環境整備としてパンフレットを作成している。
  「ネットワークづくり」は情報共有を行うために県内全体でネットワークを作り、「安全・安心まちづくり県民運動」を展開していくものである。地域で防犯活動を行っている皆さんがパソコンや携帯を利用してネット上で交流するサイトを現在開発中である。
 重要な課題である暴力団については「暴力団追放!地域決起会議」を県内各地域で開催している。また、地域のトップにお集まり戴いて安全・安心まちづくりに関する情報共有や意見交換し、地域全体で安全・安心まちづくりに取り組む契機とする「安全・安心まちづくり地域トップ会議」を県内各地で開催している。今後も引き続き地域の安全・安心まちづくりを支援していきたい。


(飯塚警察署 山本署長)
飯塚警察署 山本 哲史 署長
 飯塚地区においては、近年順調に減少してきた犯罪発生件数が、街頭犯罪を中心に昨年急に増加し始めた。また、交通事故件数も平成19年中県下ワースト1、平成15年には大水害を経験し、防犯・防災・交通事故抑止対策について警察や行政の力には限界を感じている。
こうした中、昨年4月に「自らの安全は自ら守る」という意識を基本とする「福岡県安全・安心まちづくり条例」が施行された。飯塚では片島地区をはじめとする素晴らしい防犯活動団体がいくつもあり、このような取り組みを飯塚地区全域に広げられれば、ということから80の団体に賛同を得て、平成20年11月に毎月第2・4金曜日を「安全・安心まちづくりの日」と定め、「出来ることから始めよう」を合言葉に「飯塚地区安全・安心まちづくり推進協議会」を発足させた。飯塚署は事務局として連絡・調整・支援・広報の役目を荷っている。
 この取り組みには4つの大きな柱を据えている。ひとつは「安全・安心まちづくりの日」の定着で、警察署員の意識を高めるための庁内放送・腕章の着用・交番等におけるのぼり旗の掲示を行っている。二つ目は各地域で活動に取り組む中核人物の育成である。地域防犯活動における最大の武器は「青パト」であるという認識に基づき、管内では1校区に最低1台のを目標に設置を進めている。こうした中、桂川地区においては町長の尽力により3台、飯塚地区でも3台の増車をみて、合計27台81名のパトロール員が今後活動に取り組む予定である。三つ目は各会員による協働活動である。出来る限り各会員が警察官と共に防犯パトロール活動等に取り組むようにしていきたい。四つ目は防犯意識を高めるための活動である。現在ホームページで飯塚警察署における各校区毎の犯罪実態などをグラフで分かり易く掲示している。また、飯塚市の協力のもと、毎月1万枚以上のチラシを回覧板とともに配布している。このような活動を通じて、皆様が飯塚に住んで良かったと感じられるような安全・安心まちづくりに取り組んでいきたい。


(飯塚市 齋藤市長)
飯塚市 齊藤守史 市長
 飯塚市では、毎年、暴力追放総決起大会や年末の街頭キャンペーンを各種団体の協力のもと実施している。各地区においては青パトによる防犯パトロールを行っていただいており24台が稼動している。防災については「飯塚市総合防災訓練」の市単独では6年振りの実施、市職員による風水害に対する災害対策本部実施訓練、河川パトロールや監視カメラ設置による情報収集体制の確立を行っている。交通安全では、春と秋の交通安全週間に飯塚地区住民大会などの啓発事業を行っている。平成20年6月には「暴走族等追放条例」を制定し、重点禁止区域の指定や学校・警察の連携による見物人対策、監視取締強化に取り組んだ結果、現在、暴走行為は減少している。このような取組を進めてきたが、飯塚市では小学校区当たりの防犯団体数は0.6団体で他地区の1/3に留まっている。今後、防犯団体が増えれば犯罪発生数も減るのではないかと期待しているところである。


(嘉麻市 松岡 市長)
嘉麻市 松岡 賛 市長
 嘉麻市では平成19年に「嘉麻市生活安全条例」を制定し、これに基づき「嘉麻市生活安全推進協議会」を設置した。「犯罪のない嘉麻市」「ひとり一人が安心して暮らせる嘉麻市」の実現に向けた母体となるものである。これまでの取組としては、消防団活動時における不法投棄防止巡視や清掃活動、市民と市職員協働による登下校時の見守り活動などに取り組んできた。このような活動をより良いものとするため、平成20年1月に飯塚署、上嘉穂署生活安全課職員と嘉麻市総務課を事務局としたプロジェクトチームの企画で、青色回転灯装着車による市内パトロールを実施しているところである。現在、嘉麻市の青パト設置数は11台であるが、限られた台数を有効に活用するため、上嘉穂署防犯指導員・少年補導員の方々と連携を進めている。これらの活動を踏まえ、「嘉麻市生活安全推進協議会」や先般発足した「飯塚 地区安全安心まちづくり推進協議会」と調整を図りながら地域安全活動を積極的に推進していきたい。交通安全では、春と秋の交通安全週間に嘉麻市交通安全協会や稲築庁内交通安全協会と協力し、セーフティステーションなどの啓発事業を行っている。また、高齢者向けの講習会を行うなど、近年増加しつつある高齢者の交通事故抑止にも努力している。一方職員の飲酒運転根絶・綱紀引き締めのため、市長より直接各支所に出向き訓示を行った。防災については、平成20年3月に洪水・地震を想定した「嘉麻市防災マップ」の作成・全戸配布を行い、災害有事の際の意識啓発を行った。今年度からは防災無線の配置、教育委員会による子どもの安全のためのメール配信システムを設置した。このような取組で一番大事なのは、各種団体と市民との連携である。飯塚地区という大きな取組の中でより良い連携が広がり、強固なものとなることを願っている。


(桂川町 井上町長)
桂川町 井上利一 町長
 桂川町は飯塚市と比べて人口が1/10と小規模であり、他自治体と比べて取り組みやすいということが言える。昨年4月、県立嘉穂総合高校が移転開設され、高校生の増加による不安の声に対して、青少年問題協議会の活動充実・強化を図っており、これまで教育関係者や地元警察関係者をはじめとする構成員により年3回の情報交換を行った。今年1月に飯塚署の協力により3台の青色回転灯装着車が設置できた。毎月曜の朝、熱心な地域の方に防犯パトロールを実施していただいており、このような活動が広がればより住みよいまちとなると考えている。
安全・安心まちづくりの基本は、「自助・共助・公助」という3段階があると認識している。「自助」は自らの意識を高めるということであり、町民の皆様に広く啓発を行っていく必要がある考えており、「共助」は地域・グループ・団体等の活動推進・連携を保っていくことで、どうしても必要な時には「公助」として飯塚市・嘉麻市・警察・消防・自衛隊とも連携・協力関係がいつでもとれるような日常的な情報交換が大切であると感じる。本町において防犯活動は盛んであると認識しており、このような地域の取組をもっと広く町民の皆様にお知らせし、活動を推進していきたい。

(飯塚市 齋藤市長)
 次に地域で活動しておられるボランティア団体の取り組み紹介や問題点をお話しいただきたい。


(飯塚市片島地区地域安全推進隊 大谷代表)
飯塚市片島地区地域安全推進隊 大谷 鶴雄 代表
  「飯塚市片島地区地域安全推進隊」は平成13年6月、大阪府池田小学校での事件をきっかけに、子供たちの尊い命を守るため、少しでも学校のサポートとなればと発足した。最初は子ども達のための活動だったが、空き巣や車上狙い等の刑法犯が多いことを知り、徐々に地域住民の活動として広がった。現在は会員約30名、自治会長を中心に民生児童委員・社協・消防団・小中学校・行政・警察とも協力しながら、毎月第3月曜の昼夜2回の定期地域巡廻を行っている。この他随時に一戸一灯運動・災害図上訓練・防犯教育・救命講習会等を行い、防犯・防災意識啓発を行っている。1年目は予算がなく、活動時の帽子や腕章などは飯塚警察署から援助いただいた。2年目、3年目になると防犯灯の設置や歩道信号機の確保などハード面の限界を感じ、一戸一灯運動の展開などソフト面の充実を図った。
現在は、自治会費の繰り入れや宝くじ助成金をいただいて備品を充実させ、地域版ハザードマップの作成等を行っている。この活動に協力していただいた片島小学校は、本年1月に東京で開催された第49回交通安全全国国民運動中央大会において全国39の交通安全優良校のひとつに選ばれた。今後とも「自助・共助・公助」を柱に柔軟性のある活動を長く続けていくことを目標としている。


(上嘉穂警察署防犯指導委員会 野中代表)
上嘉穂警察署防犯指導委員会 野中 武 代表
 現在は6名で青色パトロール車を使用して防犯指導の活動を行っている。上嘉穂署と協力しながら、平成19年度山田地区に1台、嘉穂地区に2台の計3台、平成20年度には山田地区に1台、碓井地区に1台の計2台、平成21年度にも3台の導入を予定しており、これに伴い会員も拡充していくこととしている。
具体的な活動としては。月・金曜の小学校区における朝の見守りと、下校時間帯に旧市町村区域である山田・嘉穂・碓井の各地区毎に行う青パトの巡廻である。また、市民の防犯意識を高める効果を狙った夜間パトロールや、振込め詐欺防止のための金融機関巡廻を行っている。
 上嘉穂署の支援を受けて青パトの回転灯を購入し、委員有志が自家用車を提供する形で青色回転灯装着車を設置している。また、ブルゾンや赤色誘導灯の装備を予定している。このような装備を進めることで、より充実した防犯活動を行うことが出来ると確信している。私達は現状に満足することなく、熱い志と行動力を持って末永く活動を続けていきたい。


(桂川町おはよう会 齊藤代表)
桂川町おはよう会 齊藤 敏子 代表
 私達「桂川町おはよう会」の取組が安全・安心まちづくりに役立っていることは非常に嬉しく思っている。私自身子供が大好きで「定年後は地域の子ども達と仲良しになりたい」、「子ども達の成長を見守ってあげたい」という思いから皆さんに呼び掛け、朝の声掛けと交通見守りを始めた。平成7年からスタートして今年で15年目になる。
 現在、男性3名の参加を得て校区内の地域協力の輪が広がっているようだ。一人ひとりの子どもと知り合い、互いの信頼関係が深まり、挨拶の言葉は短いけれど、本当に子どもと大人が信じ合い、優しい気持ちで私達の前を通り過ぎることを嬉しく思っている。私達は明るい声で子ども達に「お早うございます!」と声を掛けると、子供たちは更に元気な声で「行ってきます!」と応えてくれる、たくさんの孫達に出会える朝の大切な一時である。本当に私達は年齢を忘れ、童心に返って笑顔で子ども達と挨拶を交わしている。
 また、平成15年に県アンビシャス運動として小学校の体育館を開放していただき、子どもの放課後や休日の居場所づくりを始めた。子ども達は爺ちゃん婆ちゃんの家に帰ってくるように「ただいま!」と楽しく集まってくれる。子ども達が安心して集まれる、安全に遊べる楽しい居場所になっていると思う。私達は子ども達に手を引かれ体育館を走り回っていい汗を流している。地域の中で、子ども達を見守る大人達の温かい輪が広がっていくほど、子ども達は安全に安心して正しく成長できると思う。 また、私達高齢者も沢山の子ども達に囲まれパワーをもらい、1年1年元気に歳を重ねていけることに感謝している。子ども達が幸せに成長していけること、安全・安心に勉強が出来ること、高齢者が安全・安心に歳を重ねていけること、そういう桂川町であって欲しいし、私達「おはよう会」もまちづくりに協力していきたいと考えている。私達一人ひとりが子ども達の110番となって今後もしっかり見守り活動を続けていきたい。


(NPO法人地域交流センター九州事務所 今泉所長)
NPO法人地域交流センター九州事務所 今泉 重敏 所長
 全国的に安全・安心な通学路づくり実験が行われており、そのひとつが飯塚市庄内でも行われている。ゴミの不法投棄や落書きが多い所は犯罪が起こりやすいということから、本吉地区でゴミが多い場所にしめ縄を張るとゴミが減ったという例がある。また、きれいになったことで農家の意識が変わり、30年間荒地だった農地が耕作地に変わった。また、外に出て子どもを見守る方法とは別に、家の窓から外に向けて子ども達に手を振るという事をやったら、ある日子どもが学校の先生に「今日あそこのお婆ちゃん手を振らんかった」と報告し、先生から自治会長に安否確認の依頼がいくという例があった。これは子どもが見守るという逆の発想である。また、東京で子ども達が危険な目に遭った時の「大声出し訓練」の話を紹介すると大きな反響があった。また、瀬高署では子ども110番への駆け込み訓練を行った。このように、有志でとにかくやってみて、もし結果が良ければそれを継続させるという「社会実験」がこれからのキーワードと言える。そして例えば、不審者が出た場合、個人の車で子どもを送るという方向に行く場合があるが、そうではなく防犯コミュニティの形成が一番重要で、私は福岡県内のいろんなところで地域の見守り力・安全力を高めている。このような素晴らしい取組を飯塚地区全体、嘉麻市、桂川町に広げていき、全国にPRしたいと思う。


(飯塚地区消防本部 崎山消防長)
飯塚地区消防本部 崎山 博 消防長
 当消防組合の重点取組事案として、住宅用火災警報器の普及促進を挙げている。平成15年以降全国での住宅火災による死傷者は連続して1,000人を越えており、うち6割が65歳以上の高齢者である。死亡原因の6割が逃げ遅れによるもので、住宅用火災警報器を設置した場合では100件あたりの死傷者は1/3になるという。このことから平成18年から火災予防条例により新築住宅には設置が義務付けられており、既存住宅については今年の5月31日までが設置期限となっているため、横断幕やのぼり旗・回覧板で市民に呼び掛けているところである。


(飯塚市教育委員会 森本教育長)
飯塚市教育委員会 森本 精造 教育長
 本日お集まりの皆様に対し、日頃から非常に多くの方々が子ども達の見守り活動に参加していただいていることについて感謝申し上げたい。毎日のように不審者情報が学校に伝わってきており、多くの方々にその情報を流しながら協力を仰いでいるという現状である。それぞれの学校の校長会・教頭会など様々な機会があるので、本日の内容をしっかり伝え、また学校からもどんどん発信し、地域の皆様の協力を得られるような仕組みを作っていきたい。

(福岡県生活安全課 境 課長)
  「地域防犯団体」とは警察庁の定義によると月1回以上、5名以上で活動されている団体・グループを指し、活動内容は挨拶運動・青少年の声掛け・登下校の見守り・夜間パトロールなど安全・安心に関する活動であれば何でも対象となる。地道に活動されていても警察で把握されていない団体があるかもしれないので、出来れば市町村及び警察署が連携して把握を進めいただきたいと考えている。

(飯塚市 齋藤市長)
 それでは、飯塚警察署長より提案があった月1回、第2・4金曜日における「安全・安心まちづくり一斉行動」の推進、1校区当たり1団体の新規防犯団体の設立の目標設定、登下校時の声掛け・見守り活動や夜間パトロールの推進、それぞれの職場における安全・安心まちづくり意識の啓発、安全・安心まちづくりステッカーを作成し一斉行動時に公用車等に使用する、県においては安全・安心まちづくりアドバイザーを積極的に派遣していただく、以上をご提案させていただきたい。

(参加者一同)
了承。

安全・安心まちづくり地域活性化フォーラム(飯塚地域)

 
 引き続きイイヅカコスモスコモン中ホールにおいて、「安全・安心まちづくり地域活性化フォーラム」を開催し、多くの地域住民の参加のもと、日本ガーディアン・エンジェルスの理事長 小田啓二 氏の講演や、「地域で考える安全・安心まちづくり」をテーマにパネルディスカッションを行いました。
安全・安心まちづくり地域活性化フォーラムの様子
概 要
1 日 時 平成21年2月28日 土曜日13時00分から15時15分
2 会 場 イイズカコスモスコモン 中ホール(飯塚市飯塚14-66)
3 主 催 福岡県、福岡県警察、飯塚地区安全安心まちづくり推進協議会
4 参加者 筑豊地区自治体、警察職員、教育関係者、消防関係者、地域防犯団体等400名
5 次 第
主催者挨拶
   福岡県新社会推進部長 富安 節子
   飯塚市長           齊藤 守史
   飯塚警察署長       山本 哲史
基調講演
   NPO法人 日本ガーディアン・エンジェルス理事長 小田 啓二
パネルディスカッション「地域で考える安全・安心まちづくり」
・コーディネーター
   今泉 重敏NPO法人地域交流センター九州事務所長
・パネリスト
   金子 昌隆 筑紫地区防犯指導員会会長
   三善 見治 飯塚警察署少年補導員連絡会会長
   松尾 洋子 飯塚市庄内地域づくり懇談会委員  
   境   正義 福岡県新社会推進部生活安全課長
   猿渡 智行 福岡県警察本部安全安心まちづくり推進室長


6 内 容
主催者挨拶(1) 福岡県 新社会推進部 富安 節子 部長
福岡県 新社会推進部 富安 節子 部長

 福岡県の犯罪情勢を見ると六年連続して犯罪発生件数が減少し、昨年は平成初期の水準にまで回復し、戦後最悪であった平成十四年当時に比べると約半減するなど、確実に治安は改善されつつある。
しかしながら、暴力団同士の抗争による殺傷事件など県民を不安に陥れる事件が頻発するほか、全国各地でも凶悪事件が絶えない。全ての県民が安全で安心して暮らせる地域社会を築いていくことは、ますます重要な課題となっている。
近年、その課題解決に向けて、地域ぐるみの多様な安全活動が飯塚地域をはじめ県内各地で湧き起こっており、こうした活動を県内隅々まで浸透させていくことが求められている。
このため福岡県では、地域の安全活動の推進と防犯環境の整備に官民が一体となって取り組む「安全・安心まちづくり県民運動」を展開しているところであり、この県民運動を定着させ、一層強化するため「福岡県安全・安心まちづくり条例」及び「防犯環境指針」を今年度施行した。
 県としては、従来の防犯リーダー養成講座や、地域防犯団体の活動開始支援に加え、本年度新たに安全・安心まちづくりアドバイザー派遣制度を創設するなど、住民参加による多様な安全活動をしっかり支援していきたいと考えている。
ここ、飯塚地域においては、昨年十一月に行政、警察、地域ボランティア代表で構成する「飯塚地区安全安心まちづくり推進協議会」が設立され、今後、官民が連携した取り組みが益々進むことを期待している。


主催者挨拶(2) 飯塚市 齊藤 守史 市長
飯塚市 齊藤 守史 市長
 最近市内では、昨年4月の発砲事件、本町商店街の火災など大きな事件が発生している。課題は山積しているが、明るい飯塚のまちを作るために皆様のご協力が必要である。11月にも別の地域で発砲事件が発生し、暴力追放・生活安全住民総決起大会において暴力追放緊急決議を採択するなど取組を強化してきた。私達地域住民が安心して安全に暮らせる社会実現は行政・地域の最重要課題であり、本市としてもより強固な取組が必要となっている。住民一人ひとりが防犯意識の向上を図り、住民と関係機関・団体等が合い携えて、犯罪のない安心して暮らせるまちの実現に向けて一致団結して行動することが重要である。本日のフォーラムは、私達一人ひとりが何をすればよいか、そして、今まで取り組まれている各地域での活動の一助となればという思いで開催した。
 このフォーラムに先立ち「安全・安心まちづくり地域トップ会議」を開催したので、この中での提案を披露したい。
 一つは「飯塚地区安全安心まちづくり推進協議会」による、毎月第2・4金曜日における「安全・安心まちづくり一斉行動」の推進である。
 二つ目は筑豊地区においては1小学校区当たりのボランティア団体数が0.6と他の地区の1/3に留まっており、これを1.0以上まで新規団体増やすことを目標としたい。1,000人当たりの犯罪件数も福岡・北九州・筑後地区に比べて高く、団体数が多ければ筑豊地区も変わると期待する。片島小学校区においては県民運動中央大会本会議交通安全優良学校賞を受けられており、このように地道に活動しておられる団体を増やしていきたい。
 三つ目は、この流れを職場でも取り組んで欲しいということから、朝礼などの際の社員・職員の意識啓発。
 四つ目は、安全・安心まちづくりステッカーを作成し一斉行動時に公用車等に使用すること。
 県においては「安全・安心まちづくりアドバイザー」派遣などの積極的な支援。
以上のことに皆さんで取り組んでいただきたいと考えている。


主催者挨拶(3) 飯塚警察署 山本 哲史 署長
飯塚警察署 山本 哲史 署長
 本日お集まりの皆様には、毎月第2・4金曜日を「安全・安心まちづくりの日」と定め、更に「出来ることから始めよう」と「飯塚地区安全安心まちづくり推進協議会」を発足して以降、各地域において防犯・防災・交通安全活動に取り組んでいただいており、このような地道な活動が少しづつ成果を挙げている。犯罪については、昨年上半期街頭犯罪が多発したが後半では減少傾向となり、この傾向は今年になっても継続している。交通事故の発生件数は一昨年県下ワースト1を記録したが、昨年は減少率が県下1位と汚名を挽回した。また、地元自治会等の協力により、放火事件1件、強盗事件1件、泥棒2件、引ったくり1件、車上狙い3件の犯人を捕まえることができ、2自治会と8名の方に感謝状を贈呈した。一つ例を挙げれば、ある団地の主婦が夜ベランダで洗濯をしていた際、駐車場を徘徊する不審な男を目撃し、車上狙いが頻発していたことから110番するに至り、犯人検挙に繋がった。日頃の活動や防犯キャンペーンがこのような防犯意識に結びついた好事例である。
 皆様方の活動をより一層効果的なものにするため、3つの提案がある。ひとつは、皆様方それぞれの地域の実情に沿った活動を出来るだけ第2・4金曜日の「安全・安心まちづくりの日」に合わせていただきたい。このことによって参加者の心が一つになり、飯塚地区における「安全・安心まちづくりの日」がPRできる。
 二つ目は一人でも多く皆様方の活動に参加していただきたいということ。この協議会の役目の一つは、皆様方の活動を全市民的な活動に広げていくことである。どうか仲間を増やして欲しい。
 三つ目は、活動の際は目立つ服装で参加して欲しいということ。これにより、地域の皆さんに安心感を与えると共に、不逞の輩に「この地域は監視の目が厳しい」という実感を与えることになる。
 地域における防犯・防災・交通安全など地域安全活動のリーダーとして皆様方の役割は極めて重要で、今後より一層の活躍を期待する。


基調講演
 NPO法人 日本ガーディアン・エンジェルス理事長 小田 啓二
NPO法人 日本ガーディアン・エンジェルス 小田 啓二 理事長

<犯罪はバルーン>
 犯罪は頭上にふわりふわりと浮いているバルーンのようなもので、我々住民にとって不安なものではあるが捕まえることは難しい。これを撥ね返す力は二つある。ひとつは地域の人達が一致団結して「うちの地域に降りてくるスペースはない」とある程度の免疫力を発揮すること。もうひとつは市民一人ひとりがこのバルーンを認識し個人の力で撥ね返すことである。
 防犯活動は皆さんの地域に貢献するだけではなく、地域の住民同士を繋げる材料、健康増進、自分自身の安全意識の高まり、地域住民へ安心感を与える、など様々な効果が得られる。さらに、警察・行政・自治会・学校関係者・PTA・地域の奉仕団体が連携することによりコミュケーションが深められ一体感を肌で感じることが出来る。そしてこのような活動はずっと続けなければ、バルーンは我々の身近に迫ってくることになる。従って皆で役割を分担して自分に出来ることを実践していくということが大事である。
 私が全国各地で講演するにあたり最近感じていることは、各地域での防犯活動が盛り上がり、福岡県でも6年連続で犯罪件数が減少していることから、種まきの時期である第一のステージは終わったということである。これからは花を咲かせる第二ステージに進行し、皆様が地域との接着剤となり、ネットワークづくりの先導役となっていただきたいと思う。

<第一ステージから第二ステージへ>
 さて、皆さんが普段青パトや防犯パトロールなどで地域を巡廻する際、のぼり旗やタスキを使用して活動されていると思うが、活動中に互いに会ったら仲間として是非挨拶を交わしていただきたい。例えば、これはコンビニのドア付近に貼ってある「私達は地域社会の安全・安心に貢献する店を目指します。」というポスターである。また「子ども110番の家」というプレートを掲示するお宅もある。東京ではランドセルに「防犯ブザーを持っていますよ」というシールを貼っている子どもよく見かける。これらは防犯に関心を持っているという意思表示であり、先ほどのバルーンに対して強いアピール力を持つものである。しかし、これは第一ステージで「種まき」にすぎず、ここまでは皆さん熱心に取り組んでおられる。皆さんの役割はここからである。
基調講演の様子1

 例えば、パトロール中にコンビニのポスターを見かけたら、「こんにちは、○○自治会のパトロール隊です。子ども達の様子はどうですか?」と店長さんに声を掛けて欲しい。地元の人達からこのような声を掛けられたら、店長さんもまた意識が高まるだろう。普段の活動中に地域の「子ども110番の家」を訪問し住民の方と顔見知りになっておくことも大事。日頃からネットワーキングをコツコツと蓄積しておくことがこれからの第二ステージだろうと思う。
 「8・3運動」という、小中学校の登下校時間帯である午前8時と午後3時に、朝のゴミ出しや地域の老人クラブの散歩時間を合わせるなどの活動に取り組む地域もある。このように、出来るだけ地域の皆さん同士が情報を共有し、仲間を意識を肌で感じるようなネットワーキングを行って欲しい。

<まちの安心ポイント・心配ポイント>
 もう少し踏み込めば、地域で活動する際に、まちの中で「安心できるポイント」と「心配すべきポイント」の2点を確認しながら行動してもらいたい。例えば、早朝の新聞配達の車両に「防犯パトロール中」というステッカーが貼ってあれば安心できるし、24時間営業のガソリンスタンドの人と普段から顔見知りになっておけば、何かあった時に安心できる。また、地域の学校行事をお手伝いし、先生方と顔見知りになって連携したりといろいろな方法があるだろう。また、病院には必ず当直の医師や看護師がいるし、大きな病院ではガードマンもいる、というように明らかな「安心ポイント」であろう。その他ファミレス・バスの運転手・鉄道事業者の皆さんなど多くの方々を普段から廻って「安心ポイント」の蓄積を行う。
 一方、以前地域の住民の方へのアンケートを行ったところ、「心配なポイント」として「最近の自転車運転マナー」「暗い夜道の帰宅」「見慣れない人が表札をチェックして廻っている」「公園のホームレス」「老人の独り暮らし」「ゴミの不法投棄」などが挙げられた。これらは犯罪でもなく警察や行政サービスでは解消できないような「犯罪未満」の問題である。そしてこのような「心配ポイント」を実際に廻ってみると、駐車場の死角、交通事故により曲がった道路標識、多くの放置自転車、山積みになっている公園のゴミ、壁の落書き、ホームレスによる粗大ゴミなどが実によく見えてきた。そこで、このような心配なポイントを住民の皆さんと一緒になって一つひとつ消していく作業をやってみてはどうか。そうすれば、それまでの「心配ポイント」が「安心ポイント」に変わるはずである。

<管理者との連携>
 私達がパトロール中、JRの監視カメラが台風の被害であさっての方向を向いていることに気づき、車掌区に連絡してすぐ適切な処置がなされた。また、千葉県の例では、何十年も前から落書きで汚れ、ホームレスなどが住み着き「お化けトンネル」として地域の子ども達に怖がられていた市道を、管理者である市に働きかけ、新たなペイントを施し「ポケモントンネル」として地域に親しまれるようになった。
 このように大事なことは「管理者との連携」である。パトロール中に「心配ポイント」に気づいたら、仲間と紙に書き出すなど情報を共有して欲しい。そして、自治体・学校・警察・事業者・自治会など様々な管理者に伝え、そのうえで共に出来ることがあればお手伝いする。こどもが独りで居るの見かければ、その保護者である母親はどこにいるのか気にする。行政や警察などのプロに任せるべき事なのか、自分達で解決できるものなのかしっかり判断することは大切で、例えば自ら電柱によじ登って街灯の電球を交換するわけには行かないので、管理者にきちんと連絡する。

<まちのスキャン&アクション>
  「スキャン」とは読み込むという意味であるが、皆さんにお願いしたいのは、眼力をもって自分達のまちをよく読みこんで欲しい、スキャンして欲しいということである。飯塚にお住まいの皆さんは、先週と今週の飯塚の様子の違い、今日の午前と午後でさえ分るはずである。ゴミや空き缶ひとつ落ちていても普段との違いに気づき目が留まる。そしてそのゴミを拾う、これが「アクション」。例えば、この辺りでは見慣れない品川ナンバーの車が停まっていることに気付き、運転手に自然と目を合わせる。これだけでも「この地域の皆さんはいろんなことに目を配っている」というメッセージの発信になる。今日はいつも3時15分に通る子ども達がいないと気付いて学校に電話してみる、犬が妙に鳴いている、隣家のポストに新聞が溜まっているのに気付いて尋ねてみる、などのアクションが大切。いつもと違う「流れ」に気付いてアクションを起こし、バルーンを撥ね返すということである。
基調講演の様子2

<キャッチボールの大切さ>
 我々がパトロール中に未成年者の喫煙を注意しても、また翌週同じ未成年者が喫煙を繰り返していることはよくある。皆さんも同じように、正義感を持って秩序を乱している者に対して注意しても、つまりボールを投げてもなかなか返ってこないという経験をお持ちだと思う。しかし、諦めず気長に時間を掛けて愛情を持ち、根気強く同じ目線でボールを投げ続けて欲しい。
 我々は北九州市小倉にセンターを開設しており、ここに年間2,000人の少年少女が深夜集まってくる。そこではすぐに「家に帰れ」とは言わず、とにかく子供たちの悩み事を何も言わずに聞いてあげる。そうやって人間関係を築き、ルールを守ることの大切さを本人に気付かせる。このようにうまくキャッチボールをすることが大事である。最近は子ども達だけではなく、ゴミのポイ捨てなどルールを守らない大人も多いが、こういう人達にも「あなた達は秩序違反者である」とレッテルを貼らず、「ボールを受取る準備がありますよ」という姿勢を見せて欲しい。ここでうまくキャッチボールが始まれば、後は必ず正しい道に導いていけるはずである。「ニックネームを教えて」などキャッチボールが出来る関係を作りたいという意思表示を行ない、また「私達は毎月第2・4金曜日に活動してますよ」とアピールするだけでもバルーンは離れていき、やがて皆さん方は地域の人達に頼られる存在になっていくだろう。皆さん方に解決できない相談ごともあるだろうが、その場合には少年サポートセンター・保健所・警察などプロに橋渡しをしていけばよい。
 ニューヨークで年間2,300件も殺人事件が起こる程治安が悪化した理由のひとつは、住民が「自分は巻き込まれたくない」と周囲に無関心になり、自分自身が困ったときに周囲から見て見ぬ振りをされるような社会になってしまったことである。

<防犯スイッチ>
 冒頭にお話したバルーンを撥ね返すということは、皆様方が一丸となってバレーボールのトスを継続することと、個人でさらりとかわす力を身につけることである。そして手洗いとうがいでインフルエンザを予防するように、自分で実践することが大事。そのためには普段から五感を研ぎ澄まして感覚をフル活用すること。もうひとつは、自分が持っている「防犯スイッチ」を自在にオン、オフ出来るようにすること。意図的に防犯を意識することによって自らを守ることが出来る。子ども達でも、下校時に友達と別れる前にランドセルに付けた防犯ブザーを手に持つ、という具合に防犯を意識させれば事件は未然に防げる。武道や専門知識を身に付けるなど特別なことより、防犯スイッチを常に入れたり切ったりする生活を実践すれば被害は減らすことが出来るだろう。

<最後に>
 私がこれまで17年~18年防犯活動を続けてこられたのは、様々な人々と情報交換し合い、人と触れ合うことが出来るこの活動がとても楽しいからである。防犯活動は地域の中で市民の力を最大限発揮で出来るものであると思う。地元について一番詳しい皆様方が是非音頭を取り、第二ステージに入った今、多くの人々をまとめてリーダーシップを発揮される事を願っている。


パネルディスカッション「地域で考える安全・安心まちづくり」
パネルディスカッションの様子1
・コーディネーター
  今泉 重敏NPO法人地域交流センター九州事務所長
・パネリスト
  金子 昌隆 筑紫地区防犯指導員会会長
  三善 見治 飯塚警察署少年補導員連絡会会長
  松尾 洋子 飯塚市庄内地域づくり懇談会委員
  境  正義  福岡県新社会推進部生活安全課長
  猿渡 智行 福岡県警察本部安全安心まちづくり推進室長

<自己紹介>
(今泉)
 まず最初に、パネリストの皆さんに、先程のガーディアン・エンジェルスにならい、ご自分のニックネームを交えて自己紹介願いたい。

(猿渡)
 自分の名前からニックネームは「サルトモ」。皆様方のお手元に配布している「ちょっとでも『おかしか』と思ったら振込め詐欺」という啓発チラシをご覧頂きたい。県警ではこのように振込め詐欺、強盗、性犯罪などの犯罪被害を減らすべく関係機関と連携しながら対策を考えているところである。

(三善)
 子どもの頃、体が小さかったのでニックネームは「ネズミ」。筑豊で生まれ育ち、少年補導員として活動している。

(松尾)
  旧庄内町で生まれ育ち、農業に従事しながら地域の子ども達と楽しく繋がりを持っている。自分の名前からニックネームは「洋子ちゃん」。

(境)
 県の生活安全課で安全・安心まちづくり行政を担当している。当初「生活安全課」というと「警察ですか?」とよく訊かれたが、最近では行政でも重要な課題となっており、県や市町村においても安全・安心を所管するところは増えている。当課では、この安全・安心、交通安全、消費者行政、暴力団対策、犯罪被害者支援という幅広い仕事に取り組んでいる。ニックネームは自分の名前から「マチャアキ」。

(金子)
 ニックネームは絡み上手なので「スネーク」。6人の子持ち、現役の保護者である。県の「安全・安心まちづくりアドバイザー」を務めている。

<県内の犯罪情勢>
(今泉)
 ここで、筑豊地区の犯罪情勢・防犯団体数について事務局より説明があり、その後各パネリストから課題及びその対策をお話戴きたい。

(司会)
 平成19年の福岡県における人口千人当たりの犯罪発生率は全国第5位。また、福岡県の団体数を小学校区数で割ると1校区に平均で1.22団体の団体が結成されている。これは、主要都府県では最低の数値である。
団体数では、埼玉県が一番多く4.9団体、次いで兵庫が2.52、東京が2.4、神奈川が2.1、千葉が2.0団体。これらの都県の犯罪率は、兵庫を除き本県より低い。関東周辺は一様に本県より犯罪率が低く、また全ての都県で2団体以上の団体が結成されている。結成率の低い地域では一様に犯罪率も高い。
 本県の地域安全活動を担う団体数の推移をみれば、犯罪件数がピークとなった平成14年から急激に増加傾向を示し、5年間で約20倍にまで達している。対照的に刑法犯認知件数は5年連続で減少しており、団体の活動が犯罪件数の減少に大きな効果をあげている。
パネルディスカッションの様子2
 県内の犯罪発生件数と地域防犯団体の推移を地区別にみると、福岡、北九州、筑後は団体数の伸びが非常に顕著であるが、筑豊地区の団体数があまり増えておらず、犯罪発生件数も減少していない。なお、この数値は5人以上で月1回以上の活動をしている団体を警察が把握している団体数あり、必ずしも実態を完全に反映しているとはいえない。実態は多くの団体が既に存在しているものの、単に把握されてないだけかもしれない。
 各地区別の犯罪減少率と団体数を検証したところ、平成16年から平成20年の犯罪減少率は筑豊地区が最も低い。これは元々、犯罪発生件数が非常に少なかったと考えられるが、団体数を小学校区数で割ると他の地区に比べて非常に少ない。一概に団体数が少ないから駄目というものではないが、実態に鑑み、行政・警察と地域住民が連携して、地域の安全・安心を高めていくことが重要である。
 安全・安心まちづくり活動は、決して防犯だけではなく、青パトや見守り活動による交通事故の防止、いざという時の防災活動、あいさつ運動による住民相互の連帯感の強化、公園や街路の清掃、最近では独居高齢者の見守り活動まで様々な地域活動に広がり、地域コミュニティーの再生には欠かせない要素となっている。

<課 題>
(今泉)
 ここでパネリストの皆さんには、各課題についてキーワードを示しながらお話戴きたい。

(サルトモ)
 私は「危機管理」「防犯意識の向上」をキーワードとしてあげたい。
 飯塚地区の刑法犯件数は、戦後最高の平成14年から約4割弱減少しており、県下全体では5割弱の減少である。人口割合は県全体の3.3%であるが、犯罪件数は4.5%を占めている。人口1,000人当たりの犯罪発生件数は飯塚警察署管内で25件で県全体の1.4倍である。福岡市の犯罪発生件数は全国13の政令指定都市のうちワースト3の22件だが、飯塚地区はそれを上回っており全国的にも高い水準である。このように、犯罪の発生は都市部・地方は関係なく皆様方の身近で発生しているといえる。犯罪の要因はその環境にあると言われており、その環境を構成する私達が危機意識・防犯意識を高めていくということが大事ではないか。
福岡県警察本部安全安心まちづくり推進室 猿渡 智行 室長


(ネズミ)
 私のキーワードは「高齢者と若い世代」。現在ボランティア活動に参加する人々の高齢化が進み、活動を続けることが難しくなってきているが、若い世代には仕事や子育てなどで忙しくなかなか参加してもらえない。また、地域の高齢者との交流もあまりないので、防犯活動がどういうものかということも理解されにくい。ボランティア活動の参加者だけが理解していて、なかなか地域全体に広がっていかない。これらの課題を解決し地域と連帯していくには、行政・警察・地域の自治会長・公民館長の皆さんがしっかり協議し、各地域に伝達していけばよいのではないか。我々もボランティアとして頑張っていくが、皆様方も隣近所の人に声を掛けて防犯に取り組んで欲しい。
飯塚警察署少年補導員連絡会 三善 見治 会長


(洋子ちゃん)
 キーワードは「絆の崩壊」である。「絆」とは近所の絆・学校の絆といろいろあるが、現在人と人を結ぶ絆が薄れつつあると感じている。昔、筑豊では炭鉱が盛んで、長屋で皆家族のように暮らしていた。その後閉山に伴い人口が減少、子どもの数も減った。孤立した一戸建ての家が増え、農作業をする姿も見られなくなり、通学路を見守る人の気配もなくなった。
 こうした中、私はある保護者から「最近不審者が多い」という相談を受け、お爺ちゃん達に「朝、子ども達に声掛けしてくれんやろか」とお願いした。ところが、一緒に通学路に立ってみたところ、歩いて通学する子どもは少なく、皆親が車で送り迎えをしていることを知った。せっかくお爺ちゃん達がやる気を出してくれたのに、歩いて通学する子供は少ない、親から見れば通学路に人が居ないので心配だ、という悪循環になってしまっている。また、子どもの顔も分らないので地域の結びつきがだんだん薄れていく。防犯に取り組もうとする団体が増えない原因ではないかと感じている。
飯塚市庄内地域づくり懇談会 松尾 洋子 委員


(マチャアキ)
 キーワードは「情報と繋がり」である。先程、防犯団体数の話があったが、決して飯塚地区の皆様方の意識が低いということではなく、活動に熱心に取り組んでおられる方々も多いと思うし、何かをしなければという意識を持つ方はいらっしゃる。しかし、何から取り組んでよいか分からない、ジャンパーの購入するなどの資金がない、など活動を始める際のノウハウや情報がないためではないか。また、地域でどのような団体が活動しているのか分らず、さらに、既に活動している人や活動を始めようとする人々の交流がないため、リーダーや個人が孤立してしまう。情報を皆で共有することが大事な課題である。
福岡県新社会推進部生活安全課 境 正義 課長


(今泉)
 先程の「トップ会議」では、各首長の皆さんから様々な取組が報告された。このように、情報が共有されることによって次の対策が打てる、ということであろう。

(スネーク)
 キーワードは「官民一体」と「世代の壁を越えた市民参加型の取組」である。
 平成9年5月に神戸榊原事件があり、その3ヵ月後、福岡県春日市において夏休みの平和授業に向かった女の子が行方不明となり、その後無残な姿で発見された。当時小学校のPTA会長を務めていた私は、以来11年「強い地域を作って欲しい」という被害者の願いに沿って活動に取り組んできた。この中で感じたことは、官民一体での取組・世代の壁を越えた取組・市民参加型の取組が重要であるということ。
筑紫地区防犯指導員会 金子 昌隆 会長


<具体的な取組>
(今泉)
 これまで各パネリストから挙げられた「危機管理」「防犯意識の向上」「高齢者と若い世代」「絆の崩壊」「情報と繋がり」「官民一体」「世代の壁と越えた市民参加型の取組」という課題のキーワードをみると、飯塚地区の皆さんの参加意欲の低下が伺え、防犯団体数が少ない、団体の活動が知られていないことに繋がり、結果的に犯罪件数が多くなっている、ということが言えないか。
 次に具体的に何に取り組んでいけばよいのかお話戴きたい。

(サルトモ)
 「犯罪情報、防犯情報に関心を」と提案したい。これらに関心を持つことにより、自ら防犯対策を講じ、そして効果的なパトロール活動に役立てる。防犯活動は社会情勢・犯罪情勢に沿った計画・行動が重要であるため、警察からは積極的な情報発信に務めていきたい。特に「ふっけい安心メール」はタイムリーに犯罪の発生実態などを発信しており、皆様方の周りにも是非メールの登録を勧めて戴きたい。警察のホームページも充実させている。
 また、いざという時の対応を常に想定して生活して欲しい。振込め詐欺の被害者は、「振込め詐欺が社会問題となっている」ということを知っていながら被害に遭ってしまう。そして、自分だけではなく、地域の会合など機会ある度に地域全体で防犯意識を向上させていこうという話をして欲しい。

(ネズミ)
 防犯・少年補導・交通安全などいろんな事について申し述べたいが、時間が限られているのでまとめると、地域住民の団結と理解が一番大事でそれに伴う行政の支援も重要である、ということである。

(洋子ちゃん)
 「子どもは地域の宝」である。うちはブドウ農家なので作物に例えれば、ブドウの樹は青々とした葉っぱを付け、秋になると葉を落として実を付ける。そして落とした葉から冬の間栄養を吸収し翌年再び実を結ぶが、自然のままでは栄養や水は足りない。適度な肥料や水は必ず必要となるが、樹が親でブドウが子どもとすれば、水や肥料は私達一般市民であり行政である。地域がブドウの樹になり子どもを育て、守っていかなければならない。
 また、不審者情報などが地域の皆さんによく伝わらず、地域住民がどう行動したらよいか分からない。情報の共有が大事。そして、自分の子どもだけではなく、地域と行政が一体となったコミュニテイづくりが大切であると思う。まずは触れ合う場所を作り、もう一度絆を取り戻して子どもを守っていきたい。

(今泉)
 ブドウの根は水を与えすぎると上に伸び、弱い樹になってよくないそうだ。子どもも同じように、車で送り迎えするといろんな事が体験できずにそのまま大人になってしまう。やはり、子ども達が一緒に歩けるという空間を作ってあげないと。
コーディネーター NPO法人地域交流センター九州事務所 今泉 重敏 所長


(マチャアキ)
 大事なキーワードは「ネットワークづくり」である。これは情報と人のネットワークを作ることであり、地域の防犯力・安全力を高める大きな力になっていく。県内には優れた活動に取り組むグループやリーダーが多く、このような優れたノウハウを放っておいてはもったいない。そこで県では、皆でこの情報やノウハウを共有するため、
平成17年度から防犯リーダー養成講座を開催しており、来年度は是非ここ飯塚地区で出来ないかと考えている。また現在、「これを観れば防犯活動のイロハが解る」というようなDVDソフトや、皆様同士の交流や情報発信ができるネット上の交流ひろばを準備中である。是非これらを活用してネットワークを作って欲しい。

(スネーク)
 4点ほど皆様に考えていただくキーワードを提案したい。
 よくコンビニなどの店舗で「子ども110番」に取組まれているが、数年前から参加者数が停滞し、看板自体も色褪せてきているのではないか。官民が一体となり、共通の具体的な目標参加数を掲げているか。因みに私の地域では、全世帯の55%のお宅に参加してもらっている。
 次に、団体活動参加者以外の個人の活動はどのように連携が取れているか。どのような手段を使って情報が共有されているか。メールが配信されるだけはなく、情報を得るという双方向性のツールを官民で取り組んではどうか。また、青パトは何台まで増やしていくのか、という目標の官民共有も大事。
 3番目は、この飯塚・筑豊地区の地域性を考えた取組が出来ているかどうか。筑豊地区は3つも大学があり、若い世代が多い素晴らしいところだと思う。彼らの学ぶ姿勢・視点をうまく活用して欲しい。
 4点目は、団体活動のみではない様々な活動のアイディアが掌握されているか、である。

(今泉)
 先程少し話が出たが、筑豊にはかつて炭鉱があり長屋があった。地域全体みんな家族のように暮らしていた。それを思い出して皆で地域の安全力を向上させて欲しい。皆、危機意識を持っているので子どもを車で送迎するが、それでは地域の安全力が育たない。そこで飯塚市・嘉麻市・桂川町ではコミュニテイ形成を目指し、小中学校単位での活動に取り組む動きがあるということだ。
 先進地では、小中学校単位で「まちづくり協議会」を設置し、地域の憲法である10年構想を作ったところもある。この中で「安全・安心部会」がきちんと位置づけられ、様々な団体がこの中で活動し、全ての情報は「安全・安心部会」に集まるようになっている。飯塚市ではモデル的にこれに取り組んでおり、是非筑豊全体に拡げて欲しい。

<最後に>
(サルトモ)
 飯塚市において平成4年に小学生の殺害事件、平成17年には女子専門学校生殺害事件が発生している。このような痛ましい事件を今後絶対発生させないという思いで、皆様方と共に犯罪に強いまちづくりをやっていきたいと思う。

(ネズミ)
 一番大事なものは家庭、そして家族である。そして自分達の子どもは宝物であり、家庭や家族で確実に守っていければ犯罪はうんと減少するだろう。

(洋子ちゃん)
 亡くなった父の後を継いで、ボランティアとして庄内小学校の子ども達と田植え・稲刈り・ブドウの袋掛け体験など、土を通じた交流を40年間続けている。今後も出来る限り永く「地域の母」でありたい。
(マチャアキ)
 今日の行事のタイトルは「安全・安心まちづくり地域活性化フォーラム」である。私達は、安全・安心まちづくりを進めこと、地域の安全を高めることが地域の活性化に繋がると信じている。飯塚地区においては、昨年秋、2市1町・警察署・消防・教育・地域団体の皆様が結集する「飯塚地区安全安心まちづくり推進協議会」を立上げられた。是非本日を契機に連携を深めて地域の安全力向上に努めて戴きたいし、県も皆様を支援していきたい。

(スネーク)
 市民全員が参加できるためには、市民一人ひとりにアンケートを取り、自分に何ができるか気付いてもらうことがよいのではないか。「私はボランティア活動には参加出来ないが、挨拶くらいは出来る」ということでもよい。「個人が何を出来るか」を皆で共有出来ればよいと思う。そして、団体の間では必ず好き嫌いが出てくるものなので、団体間のネットワーク作りは官の役目であると思う。
 また、各団体で使用している腕章などは、そのエリアを出ると使えなくなるため、筑豊地区一体で使用できるようなもので取り組むことが大事。筑紫地区では、生活のついでに腕章を付ける腕章着用運動に8,222名の方が登録しており、そして何かあったら情報メールで「パァーーーーーン」と流し、即応体制が取れる。このように団体に参加するだけでなく、個人でも参加出来るネットワーク体制を考えてみてはどうか。

(今泉)
 安全・安心については、個人の防犯意識はもちろん地域の安全力をどう高めていくかがポイントであろう。そのためには、出来る人が、出来ることを、無理なく、楽しみながらやる、というキーワードが見えてくる。
 そして、飯塚地区の犯罪件数・防犯団体数の関連グラフを見て、皆さんは悔しくはないか。何とかして一つの小学校区に一つの防犯団体が出来るように頑張って欲しい。そして、来年にはグラフが跳ね上がるよう期待している。

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